ひとりぼっちの上司と私

 それと、あのフレンドリーな話し方……気のせいかな。もしかしたら彼は知り合いなのではないかと、不思議なことを思う。

『あっ。口が滑った。まぁ、部屋に入れてくれたら事情を説明するよ』
「……とにかく俺が下に行く。話はそれからだ」 

 ふたりの会話が途切れ、モニターは真っ暗になる。

 賢哉さんが、申し訳なさそうに頭を書きながらこちらにやってくる。

「聞いてたと思うが、弟が今下に来ている。適当に用件を聞いたら帰ってもらうから、ここで少し待っていてくれないか?」
「あの、それは構わないんですけど……もしよかったら、弟さんもここに呼んで話せませんか? 私、弟さんのこと……もしかしたら知っているかもしれなくて」
「直哉と知り合いなのか?」
「いえ、〝直哉さん〟ではなく、別の方と……」

 単なる印象だから、全然関係ないかもしれない。だけど、どうしても確かめたいことがあった。

「よくわからないが、莉々がそう言うなら、ここにアイツを連れてくる。でも、色々と身支度があるだろう? ロビーで待たせておくから、準備ができたら俺のスマホに連絡してくれ」
「わかりました」

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