ひとりぼっちの上司と私

「こんなもんかなぁ……」

 何度見直してもしっくりこない企画書をにらみ、頬杖を突く。

 以前社長から打診のあったご当地シリーズのガチャについて、後から我妻さんを通して正式に依頼されたため、結局私が企画の立ち上げから任されることになってしまった。

『秘密の名産品(仮)』という完全に間に合わせの商品タイトルの下に、コンセプト、ターゲット層、想定価格などを書き連ねていくけれど、どれも既存の商品を参考にした情報を載せているだけ。

 作りたい商品のイメージが、ハッキリと湧いてこない。

「美味しそうじゃなきゃダメだと思うけど、ただリアルなだけでもなー……」

 手元のペンタブで私なりにピックアップした富山の名産品をいくつかイラストにしてみるけれど、あまりぱっとしない。単なる食品サンプルという感じだ。

「でも、リアルが刺さる層は確実にいるし……流行りのぬい活とも相性いいよね……?」

 新しいアイデアはあきらめ、リアル路線でいくことにする。

 ガチャ本体の正面に入れる台紙、景品のサイズや素材など、企画書に盛り込むべきことを網羅すると、プリントアウトして我妻さんのところへ持っていく。

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