ひとりぼっちの上司と私
エピローグ
仕事の充実感と比例するように、私と賢哉さんの仲も深まっていった。
会社が休みの日に色々な場所に出かけたり、ふたりでまったりゆうメロを楽しんだり。
付き合い始めてからおよそ一カ月後のバレンタインの夜には、チョコレートを渡した後で、初めて彼と体を重ねた。
久しぶりだからと緊張する私にも彼はとても優しくて、『できなかったら途中でやめて、添い寝しながらいつも通り喋っていればいい』と言ってくれた。
おかげで緊張がほぐれたお陰か、それとも年上の彼がリードしてくれたお陰か、体を重ねている時間はとても幸せだったし、賢哉さんのことがますます愛おしくなった。
抱き合った後も彼はベッドの中で私を離さず、甘い余韻の中でずっとおしゃべりを楽しんでいる。
「ご当地モノはとりあえず一種類、自分の商品が形になりましたけど、また新しい野望があるんです」
「野望? 言うだけならタダだからな。とりあえずは聞こう」
「そういう意地悪を言う人には教えません」
「怒るな。莉々のアイデアが聞きたい」
尖らせた口にキスをされ、よしよしと髪を撫でられると、拗ねた気持ちはすぐに収まってしまう。
ふたりきりの時は常にこんな調子なので、大きな喧嘩に発展することは今までなかったし、これからもないだろう。