ひとりぼっちの上司と私
「駅前ランドマークシリーズ。第一弾は、もちろんハム公です」
「ああ……アイツか。ちょっとマイナー過ぎないか?」
「それがいいんじゃないですか。『こんなのあったんだー』ってなると、街全体も活気づきますし」
「俺たちの仕事に地域PRは含まれてない」
「……確かに。だめかぁ」
まったく、私のアイデアはいつも肝心なところで詰めが甘い。こうして思いついたことを彼に相談する機会はたくさんあるのに、いつも彼の鋭い突っ込みに負けて涙を飲んでばかりだ。
もちろん、それくらいでめげる私ではないけれど。
「ところで……お前に聞きたいことがある」
「なんですか?」
「ご両親は、俺の存在を知っているのか?」
「えっ……と。同じ会社の人とお付き合いしている、としか」
展示会イベントの後、弟さんの後押しもあり、賢哉さんは久々に実家に帰省した。
ご両親と話してみると、遠山物産を辞めてからというもの、ご両親がずっと彼を心配していたこと、そして新しい仕事に打ち込む彼を応援していたことを伝えられたそう。
自宅のあちこちには、タイニーポケットの商品がいくつも飾られていたらしい。