ひとりぼっちの上司と私
個性的なインテリアを眺めることで緊張感をごまかしていると、対面に座って企画書を黙々と読み込んでいた社長がパサッと企画書をテーブルに放った。それから、脚を組んで私を見る。
「率直に言わせてもらうと、中途半端、だね。細部にこだわったリアルな食品サンプルにしたいのならターゲットの年齢層が違うし、誰に回させようとしているのかが曖昧だ。商品イメージの下描きも見たけど、ぬい活で使ってもらいたいならもっとかわいらしさが必要だと思うし、写真を撮りたいと思ってもらえるデザインになっていない。色々とボタンを掛け違ってる印象だ」
社長は表情こそ穏やかなものの、その口から発せられたのは辛辣な評価だった。
「中途半端……」
「きみ自身、想定価格の400円でこのガチャを回したいと思う? 自分がときめかない商品は、お客さんにも響かない。もう一度、ゆっくり考えてみて」
「はい。ご期待に添えず申し訳ありません」
社長はテーブルの上でトン、と書類を整え、私に差し出す。
つまるところ、今の企画では全然ダメということだ。
自分でもなにかが足りないと思っていたのに、妥協したまま作り上げた企画書を提出してしまったことが悔やまれる。
でも、いったいどこから直せばいいんだろう……。