ひとりぼっちの上司と私
【お恥ずかしい限り……】
【あはは、ヤスダさんっておもしろーい!】
イザナミさんのアバターが、腹を抱えて笑っている。彼女が派手に笑ってくれたおかげで、気まずさも少しマシになった。
ユリコさんとは違った意味で、コミュニケーション能力の高そうな人である。
その後もイザナミさん主導で進んでいく会話が途切れることはなく、彼女に聞かれるがままに、自分が東京在住の会社員であること、私生活はやや孤独であること、このゲームが唯一の趣味であり、日々の生活の癒しであることなどを語ってしまった。
【東京住みの会社員、私も一緒です。……ちなみに、リアルではちょっと孤独なのも】
ユリコさんが遠慮がちに教えてくれる。
しかし、彼女が孤独を感じているとは意外だった。ゲーム内で接している人柄からは、まったくそんな風に感じられないのに。
【あたしもあたしも! これはなにかの縁だねきっと】
イザナミさんが共感を示したのは東京在住の方なのか、それとも孤独の方なのか……彼女のテンションから察するにおそらく後者はないだろうと思いつつも、〝縁〟という言葉には心惹かれるものがあった。
たとえ相手の顔や本名を知らなくても、誰かと繋がって心を通わせることはできるのだと、証明してもらえたようで――。