ひとりぼっちの上司と私
【ヤスダさん、顔出しNGな感じですか?】
イザナミさんがためらいなく聞いてくる。
顔を出すのが嫌というか、実際に会ったことでゲーム内でのヤスダのイメージが彼女たちの中で崩れてしまい、これまで通りの平和な交流ができなくなるのではと思うと不安なのだ。
しかし、うまく言葉にできない。
【アバターの通り、自分は男ですが構いませんか? 女性ふたりで会われた方が、話が弾むのでは……?】
なんだか、友達付き合いが下手な学生のようである。しかし、ネット上で知り合った人物、とくに女性が男性と会う場合は慎重になるものだろう。
いくら俺が無害な人間でも、警戒するに越したことはない。
【えー、むしろ、ヤスダさんがいないとつまんないよね?】
俺の発言から間を置かずにそう言ったのはイザナミさんだ。同意を求められたユリコさんも、すぐに頷くアクションをする。
【ヤスダさんがきちんとした方なのは日頃お話しして伝わってきてますし、ご予定が合えば、ぜひお会いできたら嬉しいです】
ユリコさんから丁寧な口調でそんな風に言われ、行きたい方に心が傾く。
しかし、会った瞬間に〝イメージと違った〟と思われても困る。俺は念を押すようにチャットを打った。