ひとりぼっちの上司と私

「――あ、もうこんな時間だね。ランチどこにする?」
「カスタムヌードルの新しいお店できてたよね!」
「そこ、まだ行ってない。突撃しよう」

 我妻さんを中心に、商品企画部のメインどころである先輩方が、連れ立ってオフィスを出て行く。

 私は先ほどのミーティング内容をパソコンに打ち込んだ後、自分のスマホのAIチャットボットに【カスタムヌードルってなに?】と聞いてみる。

【いい質問だね】と、調子のいい決まり文句が表示された後、実在する店の公式ホームページへのリンクとともに、箇条書きの説明を並べてくれる。

「へえ……麺とスープ、トッピングをオーダーメイドで選べるのか。東京にはまだまだ知らない食べ物があるんだな」

 結局、私以外はみんなオフィスを出て行ったので、少し緊張がほぐれ、田舎者丸出しの独り言を呟く。

 住み始めて一年が経っても、なんとなく、地方出身のコンプレックスがなくならない。

 芸のないストレートのセミロングヘアや、目が大きいという唯一の取り柄をまったく生かせている気がしない、冴えないメイクが乗った顔。

 我妻さんや他の先輩方に比べ、自分はなんて垢抜けないのだろうと、毎日鏡の前で憂鬱になっている。

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