ひとりぼっちの上司と私

「須田さんの話で思い出しました。前に勤めていた道の駅にもガチャガチャがあって、子どもも大人もつい足を止めて、やろうか、どうしようかって悩んで、レバーを回す時はみんな目をキラキラさせていたこと」

 ガチャガチャにギャンブル的な要素があるのは確かだけれど、たとえ目当ての物が出なくても、〝こっちもかわいい〟とか、〝全種類揃えたくなっちゃった〟と思ってもらえるような商品を作りたい。

 タイニーポケットの中途採用に応募したのも、そんな思いがあったからだ。

「ただ、いざ東京に来て、地元とは全く違う景色の中、頼れる人もいない環境で初めてのひとり暮らしをしてみると……生活を回すことだけで精一杯で、仕事に対してもどこか受け身になっていました」

 新しい人間関係を築くエネルギーもなく、先輩たちとの間に自分から壁を作っていた。

 そんな姿勢では、孤独になってしまうのも当たり前だ。

「それでも地元に逃げ帰ろうと思わなかったのは、たぶんゆうメロのおかげです。あのゲームが、私をつなぎ止めてくれてた」

 私は、そう言って須田さんに微笑みかけた。ゆっくり瞬きをする彼の瞳は優しげで、やっぱりこの人はヤスダさんなんだな、と改めて思う。

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