ひとりぼっちの上司と私

「……同じ、だな」
「えっ?」
「実は俺も、転職経験者でな。……前の同僚たちとは縁を切っているし、家族とも疎遠だ。唯一弟とはマメに連絡を取り合っているが、それでもふと、孤独を覚える夜がある。それを救ってくれたのがゆうメロだった」
「そうだったんですか……」

 前の会社の同僚と縁を切っているだなんて……円満な転職ではなかったのだろうか。

 私とは事情が違うだろうけれど、彼にも抱えているものがありそうだ。さすがに、深く突っ込んで聞くことはできないけれど。

「だから……俺は、これからもゆうメロを続けたいと思ってる。上司がいると思うと加納はやりづらいかもしれないが、もしよければ、あのゲームの中では今まで通りヤスダと接してくれないか?」

 そう私に尋ねる須田さんの眼差しは、少し不安げだ。

 彼の気持ちは私にもよくわかる。現実世界から少し離れて心を休ませることができるあの世界は、すでに私たちの日常に溶け込んでいる、生活の一部なのだ。

 それを突然取り上げられてしまったら、きっと色々なことがうまくいかなくなるだろう。

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