ひとりぼっちの上司と私
ラーメン店には十分近く並んだが、無事に、我妻さんと隣同士のカウンター席に案内してもらえた。
私たちは同じ『厚切りチャーシュー麺』をニンニクマシマシで頼み、ラーメンが届いたと同時に、念願叶った感慨に浸る。
「ニンニクすごっ。昼休みにこれはヤバいですかね……」
「大丈夫! 私、激烈ミントのタブレット持ってるから。それでもニンニク臭消えなかったら、会社のみんなに土下座して許してもらおう」
大真面目な顔で私を励ましてくれる我妻さんに、思わずクスクス笑ってしまう。
我妻さんって、こんなにお茶目な部分もあったんだ。本当に私はなにもわかっていなかった。
私たちは麵が伸びる前にと一心不乱に食べ進め、あっという間に完食。滞在時間ほんの十五分ほどで、ラーメン店を後にする。
「加納さん、どうぞ」
「あ、ありがとうございます!」
会社へ戻る道すがら、我妻さんがミントタブレットの缶を差し出してきたので、私は慌てて手のひらでお皿を作る。
ふたりでぽりぽりとタブレットを齧りながら歩く途中、我妻さんがのんびり話しだした。
「うちの会社ってさ、作ってるものがおもちゃみたいな……というか、ほとんどおもちゃそのものだから、真面目に会議してても雑談の延長みたいな空気感じゃない?」
「雑談……まぁ、確かに」