ひとりぼっちの上司と私

 実在のお菓子などコラボする場合はメーカー企業、キャラクターものとコラボする場合は、権利元の企業の監修も入るけれど、今回は我妻さんが中心となって開発したオリジナルのグミシリーズを雑貨にした商品なので、社内監修のみだ。

 社長はデザイナーとしての視点から、須田さんは営業本部長として品質や再現性について厳しく確認し、ふたりが共にオッケーを出さなければ『監修戻し』となる。

 いいものを作るためには必要な工程とはいえ、万が一発売延期にでもなったらあらゆる方面に迷惑をかけることになるので、会議のテーマとなるのが自分の担当商品でなくてもかなり緊張する。

「パッケージ越しでも透明感を残せたのはお手柄だね。このぷにぷに感も、これまでうちが出してきたスクイーズ系商品の中でも三本の指に入る。女性・子どもというターゲット層にドンピシャだね」

 手の中でサンプルを弄びながら好反応を示したのは社長だ。

 感覚的な話し方をするのはいつものことだけれど、ダメだと思ったら妥協しない彼がここまで褒めるということは、このサンプルは本当によくできているのだろう。さすが我妻さんだ。

「……俺も実物はいいと思う。ただ、ミニブックと台紙は再考の余地ありじゃないか?」

 社長の評価がよかったために、すでにゴーサインが出そうだと思っていた矢先、須田さんが顎に手を当てながらそう言った。

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