ひとりぼっちの上司と私

 突如、胸の中を冷たい風が吹き抜けた。

 そういえば、彼に恋人がいるという想像をしたことがなかった。

 オフ会に来てくれたし、私の孤独に寄り添ってくれたし、家に帰ったらわりと毎日のようにゲームをしているし。

 ……でも、だからって彼女がいないという理由にはならない。

 転職を機に前の同僚とは縁を切ったと言っていた。弟さん以外のご家族とは疎遠だとも。

 でも、恋人の有無については今のところノーコメントだ。実在する可能性はあり得る。

 我妻さんの言う通り、須田さんはパッと見でとてもカッコいいし、背も高いし……。

 どうしよう。なにげにショック……かもしれない。

「……って、仕事に関係ないことばっかり話してゴメン。戻ったらさっき指摘された件、さっそくやっちゃおうか」
「あ、アイデア出しの件ですよね! 了解です!」

 モヤモヤする理由に心当たりはあるけれど、やっぱりまだ認める勇気がない。

 とりえあえず今は仕事中なので、頭の中から雑念を追い払った。

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