この度、俺様パイロットとご成婚しました。
(ありえないっ!)
同じアドバイザーとして、やるせない気持ちでいっぱいだ。
カウンセリングを放棄するなんて、アドバイザー失格だ。
「結局、そこもやめてしまいました。これからどうしようか考えたとき、速水さんを思い出したんです。あんな形でやめてしまったけれど、速水さんが一番私に親身になってくれた」
「正直、結婚は無理なのかなっていう気持ちもあるんですけど、最後にもう一度だけ速水さんとがんばりたいと思ったんです」
深山は鈴菜に向かってニコリと微笑んだ。今の彼女は長年の暗闇から脱して妙に晴れ晴れしている。
(ああ、もう……)
油断すると泣いてしまいそうだ。
婚活の主役はあくまでも会員自身で、アドバイザーが日の目を浴びることはほとんどない。
だからこそ、こうして報われる日が来ると感動を覚えてしまう。
「一緒にがんばりましょう。深山さんの望むような結婚ができるかはわかりませんが、全力でサポートさせていただきます」
「ありがとうございます」
深山はお礼を言うと鈴菜の左手の薬指を見てふっと真顔になった。