この度、俺様パイロットとご成婚しました。

「自分の面子を守るために、平気で他人を貶めるような品性だから結婚できないんじゃないのか?」

 的を射た鋭い指摘に、こちらの様子を陰からうかがっていた周囲の人間もこそこそと笑い始める。

 航輝と若槻。どちらの意見がまともかは火を見るより明らかだった。

「くそっ!」

 婚活がうまくいかない原因をズバリ言い当ててしまった若槻は観衆の目から逃れるように、しっぽを巻いて逃げ出していった。

 騒ぎが収まると、周りは徐々にいつも通りの風景に戻る。

「鈴菜を驚かせようと思っていたのに、とんでもないお披露目になったな」
「ありがとうございます。助かりました」
「大切な妻を守るのも夫の役目だからな」

 航輝は鈴菜の左手を取りスルリと結婚指輪の上に婚約指輪を重ねると、指にキスをした。

「俺の妻になってくれるか?」

 さもおかしそうにくすくすと笑いながらのプロポーズは確信犯だ。

 本当にずるい言い方で鈴菜はつい呆れてしまった。

 だって書類上、ふたりはすでに夫婦なのだ。

 『くどく』と宣言され、本当にくどき落とされた身としては航輝の芝居じみたプロポーズは照れくさいものがある。
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