この度、俺様パイロットとご成婚しました。

(パイロットを辞めるなんて本気じゃないよね?)

 仕事が終わったあと、鈴菜はタクシーに乗り込みすぐさま空港へ向かった。
 達夫の言っていたことが本当なのか今すぐにでも確かめる必要がある。

(私が離婚すると言い出したから?)

 鈴菜が離婚を選ぶ一方で、航輝はパイロットの仕事に幕を下ろすつもりなのだと思うと、生きた心地がしなかった。
 彼にそんなつらい選択をさせるわけにはいかない。

 空港に到着した鈴菜は、仕事終わりの航輝をひたすら待ち続けた。
 彼のフライトスケジュールは共有されているので、まもなく仕事を終えることはわかっている。

 メッセージを送っておいたので、きっと見たらすぐに駆け付けてくれるだろう。
 航輝を待つ間、鈴菜はひたすら展望デッキで空を眺め続けた。

 何機もの飛行機が空から降りてきては、忙しなく飛び立っていった。
 自由に空を駆けていく機体に、つい彼の姿を重ねてしまう。

 やっぱり航輝にはパイロットでいてほしいと思う。

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