この度、俺様パイロットとご成婚しました。

(期待されている……かあ……)

 鈴菜は左腕にバインダーを抱えながら、廊下を歩いた。
 期待に応えたいと思っても、婚活の進み具合はそれぞれ千差万別。
 自分だけ張り切っても成婚につながるとは限らない。

(私にできるのは会員ひとりひとりに誠実に向き合うことだけね)

 決意を新たにしたところでデスクに到着し、鈴菜はプロフィールに目を通すべく早速バインダーを開いた。
 ところが、数秒後。

(なんなの!?このプロフィール!)

 衝撃のあまり、思わずプロフィールを食い入るように読み込む。

 年齢は三十三歳、身長百八十五センチ、体重六十五キロ。趣味はランニングとテニス。

 職業は航空機のパイロット、年収約二千万円。資産家のご子息、ご令嬢がこぞって通うことで知られる名門私立大学を卒業。

 それも幼稚舎からの持ち上がりで、家柄の良さは折り紙つきだ。

(えっと……。嘘を書いているわけじゃないのよね?)

 あまりにも現実離れしたプロフィールすぎて、とうとう経歴詐称まで疑い始めてしまう。
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