この度、俺様パイロットとご成婚しました。

「説明は以上ですが、なにかご質問はありますか?」
「特にない。それにしても、こうやって効率よく結婚相手を探すわけだな。よくできている」

 航輝は感心したように顎に手をやり、しげしげとパンフレットを眺めた。
 そんな些細な仕草ですら絵になるなんて、羨ましい限りだ。

「よろしければ入会希望と伺っておりますが婚活を始めようと思ったきっかけなど、お話しいただけませんか?」

 入会希望者への質問はよくある定型文だが、今回に限っては鈴菜自身も興味を引かれた。
 なぜ彼ほどの男性がわざわざ結婚相談所に入会しようと思ったのだろう。

「……困っているんだ」

 航輝は物憂げにこめかみをトントンと指でたたきながら答えた。

「困っていると言いますと?」

 鈴菜がもう一歩先まで踏み込むと航輝は深くて長いため息をついた。

「母から結婚を急かされていて本当に困っているんだ。この間なんか勝手に見合いをセッティングされた」
「そうですか……」

 三十代男性にありがちな、結婚を急かす母親の愚痴を聞かされ、鈴菜は曖昧に頷くしかなかった。
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