この度、俺様パイロットとご成婚しました。
彼を事務所の中に案内したあとはデスクに戻り、気合いを入れ直すようにハーフアップの髪を結び直す。
約束の時刻になると覚悟を決め、再び航輝が待つカウンセリングのルームの扉を開いた。
鈴菜は扉を開けるなり、ソファに座る彼に深々と頭を下げた。
「先日は失礼な態度をとってしまい、本当に申し訳ありませんでした」
理性を失い怒鳴ってしまったのはどう考えても鈴菜が未熟者のせいだ。
「いや、こちらこそ気に障る言い方をして悪かった。反省している」
航輝からも丁寧な謝罪があり、思わず目を丸くする。
(意外だ……)
自分の態度を反省して素直に謝罪してくれるなんて、思ったよりも悪い人ではなさそうだ。
「本登録をご希望ということなので、手続きを進めさせていただきます」
鈴菜は本登録に必要な書類の説明や、同意書への記入をお願いする。
すべてがつつがなく終わると、最後に一番重要なことをヒアリングシート片手に尋ねる。
「お相手のご希望をうかがってもよろしいでしょうか?」
「そうだな。君のように物をはっきり言える女性がいいな。他人の言いなりになる女性には魅力を感じない」
ニッと唇の端を上げて笑う彼の言葉に一部引っかかるものを感じたが、鈴菜はかまわず続ける。