この度、俺様パイロットとご成婚しました。

「俺の職業を知っているか?」

 笑いがおさまった航輝が意味ありげに尋ねる。

「職業は旅客機のパイロットとプロフィールにありますが?」

 もしかして、プロフィールをろくに読んでいないと思われているのだろうか?
 意図がわからず首を傾げる鈴菜に、航輝はさらにニヤリと笑みを深くする。

「去年のクリスマス。東京近郊は積雪二十センチの大雪に見舞われて、関東地方を離発着する便は軒並み欠航だった。俺も対応に追われたからよく覚えている」

 そう説明されるやいなや、鈴菜ははっと息をのんだ。

(しまった!)

 自分の発言に矛盾が生じていると、ようやく気づいたのだ。

「教えてほしいな。どうやって君の夫は単身赴任先から東京に帰ってきたんだ?まさか陸路じゃないよな?飛行機以上の大混乱だったはずだ」

 鈴菜はぐっと押し黙った。
 よくよく思い出してみれば、去年のクリスマスは大雪だった気がする。

 鈴菜はちょうど休みで一日中家にいたので、混乱の様子をあまり実感していなかった。

 降り続いた雪が公共交通機関にどこまでの影響を及ぼしていたのか、いまいち関心は薄かった。

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