この度、俺様パイロットとご成婚しました。
「考えを改めると言っていたのは嘘だったんですね」
真剣に婚活する気になったと思っていたのに、これでは騙されたも同然だ。
「いいや、嘘じゃない。結婚相談所に入会したくらいであの母親の小言がなくなるとは思えないし、ならいっそのこと、すべてを理解した上で同意してくれる女性を探せばいいと思ったんだ」
「どういう意味ですか?」
「俺はあとくされのない契約結婚がしたいんだ」
「契約結婚?」
「そうだ。どうやって相手を探そうか考えていたら、目の前に都合よく、既婚者だと偽装している女性がいたというわけだ。渡りに船だろう?」
そう言うと、航輝はふっと表情を緩めた。
「それに、たとえお飾りだとしても、大人しい女性をとなりに置くのも張り合いがない。俺を怒鳴るくらい威勢のある君となら、契約結婚も面白くなりそうだ」
「褒めているつもりですか?」
「ああ、そのつもりだが?」
気分を害するどころか、まさか面白がられているなんて思わなかった。
(いくらなんでも結婚だなんて)
あまりにも常識とかけ離れた言動すぎて、考えがうまくまとまりそうにない。
「返事は?」
「待ってくだ——」
返事を急かされ、焦った鈴菜がソファから腰を浮かしたそのとき。