この度、俺様パイロットとご成婚しました。
『わかりました』
悩んだ末に、鈴菜はデスクの上に置かれた真由子のお古の結婚指輪を嵌めることにした。
真由子の懸念も理解できたし、なにより結婚指輪を嵌めているだけで会員が安心して婚活に励めるなら、喜んで受け入れるつもりだった。
実際、結婚指輪を嵌め始めてから、不思議と仕事もうまく回ることが多かった。
それまであわよくば鈴菜をくどこうとしていた男性会員もいたが、指輪を嵌め始めてからはぐんと減った。
女性会員とは結婚生活のコツを教えてくれとせがまれることすらあった。
成婚数も着実に増えていたのに、まさかここにきて既婚者偽装がばれるなんて。
(きっと自分の能力不足にちゃんと向きあってこなかったバチが当たったのね)
自分の行動を顧みているうちに、ようやく目的のバーの近くに到着する。