この度、俺様パイロットとご成婚しました。

「君から見て俺はどういう男に見える?結婚に値する男か?話を聞く気があるから、来たんだろう?」
「悔しいけれど、ほぼパーフェクトです。人を脅して契約結婚を迫る人間性を除けばですけど」
「ははっ!正直だな」

 恨めし気げにもらすと、航輝は気分を害するどころか、むしろ面白がりながらウイスキーの水割りをすすった。

 会話の主導権が常に彼の手の中にあるのが、なんとなく癪に障る。
 なにを言っても、軽く受け流されてしまう。

(これがハイスペ男の余裕ってやつなの?)

 鈴菜はテーブルの上に置いてあったドリンクメニューを開くと、グラスを拭いていたバーテンダーを呼んだ。

「すみません。『コスモポリタン』をください」
「飲むのか?」
「はい。気が変わりました」

 彼と話をしているうちに、気を張っていたことが次第に馬鹿らしくなってくる。

 そもそもまともな思考の持ち主ならば、ノコノコこんなところに来ていない。
 注文したコスモポリタンが運ばれてくると、航輝は自分のウイスキーグラスを掲げた。

「出会いに乾杯」
「乾杯」

 乾杯が終わると鈴菜はコスモポリタンを半分ほど飲み干した。
 ウォッカにコアントロー。クランベリージュースとライムジュースをベースにしたカクテルだ。

 薄紅色の可憐な見た目とは裏腹に、度数が高くレディーキラーカクテルなんて呼ばれているけれど、今は逆にちょうどいい。

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