この度、俺様パイロットとご成婚しました。
「どれにするか決まったか?」
「はい。カフェオレとバニラワッフルにします」
航輝は店員を呼び、カフェオレとバニラワッフル、そしてブレンドコーヒーを頼んだ。
注文した品物が届くのを待つ間、風切り音がひっきりなしに聞こえてきて、飛行機が何機も頭上を飛んでいった。
「ここからも飛行機が見えるんですね」
「ああ。空港から近いんだ。仕事前に寄ることもある」
航輝は楽しそうに目を細めながら頭上の飛行機を眺めていた。
その様子を見ていた鈴菜はふと、尋ねてみたくなった。
「なんで航輝さんはパイロットになったんですか?」
あんな高価な指輪を値段もろくに見ずにほいほい買えるような人が、旅客機の副操縦士として働いているなんてやっぱり変だ。
たしかにパイロットは普通のサラリーマンとは社会的地位も年収も異なるけれど、精神的にも肉体的にもハードな仕事には違いない。
「会社の経営に携わる前に他の企業で働くのが我が家の方針なんだ。色々就職先は考えたんだが、パイロットになるのが一番面白そうだった。でもパイロットになったおかげで大事なことに気づけた」
航輝はようやく届いたブレンドコーヒーを口にしながら答えた。