この度、俺様パイロットとご成婚しました。

「私は会員の皆さんの背中を押してあげられる存在になりたいと思っています」

 大きな決断を前にしたとき、誰しもが自信を持って臨めるわけではない。
 婚活の最中は常になんらかの選択の連続だ。
 デートはどこに行くか。
 手を繋ぐタイミング。
 食事のチョイス。
 誰と仮交際して、誰にプロポーズするか。

 そんなとき、そっと背中を押すのが婚活アドバイザーの役割なのだ。
 けれど鈴菜は最近は力及ばず真由子に叱られてばかりだ。

(婚活アドバイザーに向いていないのかもしれない)

 真由子みたいに言葉巧みに相手を励まし、努力を促すことは自分にはできない。

「君に担当してもらえる会員は幸せだな」
「ありがとうございます」

 鈴菜は、お礼を言った。
 たとえお世辞だとしても、褒めてもらえてうれしかった。

 一生懸命やってきた努力が報われるとは限らないのは、会員も婚活アドバイザーも同じなのかもしれない。
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