この度、俺様パイロットとご成婚しました。

 ◇

「おはよう、鈴菜」
「おはようございます」

 キッチンで朝食の支度をしていた鈴菜は、リビングにやって来た航輝と挨拶をかわした。

「今日も美味そうだな」
「いつも言ってますけど、たいしたものじゃないですよ?」

 ダイニングテーブルに並べられたのは、お世辞にも手が込んでいるとは言えない簡単なメニューばかりだ。

 トーストに目玉焼き、洗って千切っただけのレタスサラダに昨日の夕食のあまりのトマト入りのコンソメスープ。

 自分の分を作るついでだからと朝食作りを引き受けたが、簡単なメニューでも喜んでくれるので作り甲斐がある。

 航輝と暮らし始めてから一か月。
 最初はどうなることかと思ったけれど、新婚生活は意外なほど順調な滑り出しを迎えた。

 新婚夫婦で一番揉めそうなのは、家事分担だろうが、このマンションでは契約するとハウスキーパーが定期的に掃除をしてくれる。

 洗濯物も常駐しているコンシェルジュが、提携しているクリーニング業者に預けてくれるので心配いらない。

 至れり尽くせりの環境とはまさにこのことだ。
 それなりにひとり暮らしを経験していると、より一層ありがたみがわかる。

 そして、新婚生活がうまくいっているのは、家事分担以外でも大きな要因がある。
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