この度、俺様パイロットとご成婚しました。

「ちょっといいか?」

 朝食後、航輝は神妙な顔つきで話を切り出してきた。

「チャリティーパーティーですか?」

「ああ、父の友人が主催しているチャリティーパーティーだ。いつもは不参加なんだが、今回は鈴菜を紹介する意味も込めて参加しようと思う。悪いが一緒にニューヨークまで来てくれ」

 各種行事への同伴は契約結婚の覚書にもあった通りだ。

 つまり、ニューヨークで開かれるチャリティーパーティーへの出席が鈴菜の初仕事となる。

「わかりました」
「航空券はこちらで手配しておく」
「ありがとうございます」

 鈴菜はなにも考えず、航輝に任せることにした。
 航空会社勤務の彼の方が、煩雑な予約システムの扱いに慣れているに違いない。

(ニューヨークか……)

 海外旅行なんて、大学卒業の記念に友人と香港に遊びに行ったとき以来、とんとご無沙汰だ。

 三泊五日の日程だというが、今からスケジュールを調整すればなんとかなるだろう。
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