この度、俺様パイロットとご成婚しました。

 その後、達夫が用意してくれた迎えの車に三人で乗り込むものの、車内でも無言が続く。

 空港から一時間ほどでホテルのロータリーに到着すると、睦美は「疲れているから休むわ」と言って、鈴菜を顧みることなく先にホテルの中に入って行ってしまった。

「うわあ……」

 睦美の後に続いて車から降りた鈴菜は初めて都会にやってきたおのぼりさんのように、到着したホテルを見上げた。

 来栖家が経営しているスペードホテル・ニューヨークは、大都会ニューヨーク・マンハッタンエリアの中でもひときわ大きなホテルだ。

 セントラルパークからほど近く立地も抜群だ。黒を基調とした外観も都会的なマンハッタンに合っている。

 心躍らせながら今宵の宿を眺めていると、となりに立つ達夫は深いため息をついた。

「すまないね。鈴菜さん。睦美の機嫌が悪いのは私のせいなんだ。航輝と君の結婚に賛成したのがよほど気に食わなかったらしい」

 睦美の反対にあいながらも、ふたりが結婚できたのは、達夫の賛成があったからだと航輝から聞いている。

 来栖家の主である達夫の意見はさすがに無視できず、睦美も渋々受け入れたらしい。
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