この度、俺様パイロットとご成婚しました。
「両親はもう会場にいるはずだ。俺たちも行こう」
そう言って航輝は、鈴菜の背中に手を添えた。直に感じる手の感触が妙になまめかしくて、背中がぞくっと粟立つ。
肩甲骨があらわになるほど背中が大きく開いたブルーのイブニングドレスは、昨夜案内されたスペードホテルの客室のベッドの上に置いてあったものだ。
パーティーでは定番のデザインなのかもしれないが、鈴菜のよく知る婚活ファッションではNGとされている。
慣れない着心地に浮足立ちながら手配されたハイヤーに乗り込み、パーティー会場へと向かう。
「航輝、鈴菜さん!こちらのテーブルだ」
会場に到着するなり、達夫が大きく手をあげているのを発見する。
すでに何十人もの招待客が集まっており、会場には八人掛けのテーブルがところせましと並べられていた。
テーブルごとに金額が決まっているそうで、おのおの座った座席の額を寄付するシステムらしい。
来栖家は壇上から一番近い位置のテーブルに四人で座ることになった。
「おはようございます」
「……おはよう」
着席するなり睦美と目が合い、挨拶を交わす。昨日の今日で仲良くなれるとは思っていないが、離陸前のよそよそしさは薄れてきている。
(ちょっと前進かな)
そうこうしているうちにチャリティーパーティーが始まる。