三角形の角は、ひとつ余る
新学期
高校二年生の新学期が始まった。

私の名前は、瀬戸 紬(せと つむぎ)。

新しいクラスの発表名簿を見たとき、真っ先に目に入ったのは篠原 真翔(しのはら まなと)くんの
名前だった。

​始業式、体育館から教室に戻り、決められた席に
座る。

少し遠くの席で、友達と笑いながら話している
篠原くんの横顔がふと目に入った。背が高くて、
どこかすっきりとした雰囲気をまとっている。

思わずドキッとしてしまい、慌てて視線を自分の机の上に落とした。

そうしているうちに、ホームルームが始まった。

「はい、じゃあ全員座ったなー?」

「初日からずっと出席番号順じゃパッとしないし、
せっかくだから今から席替えするぞー!」

教室中に「えーっ!」「やったー!」と歓声と
どよめきが上がる。

担任の声で、くじ引きが始まる。

胸を小さく叩きながら引いた紙を開くと、

そこにあったのは『12番』。

窓際の、後ろから二番目の席。荷物をまとめて移動すると、なんと私のすぐ前の席に座ったのは、

篠原くんだった。

(えっ…まって、私の前……!?)

背中越しに伝わる距離感に、なんだか落ち着かない新学期がスタートした。
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