灰色の日々に、君が灯した甘い色
その日の私は、白地に色とりどり花が咲くスカートを履いていた。

零れ落ちた涙がまつ毛のマスカラを溶かして、白い生地にじわりと広がり、花びらを汚していく。

その後、どんなに洗っても、その汚れは落ちなかった。

白色に戻ることも、黒色に変わることもなかった。
その部分だけが、うっすらと汚れてしまった。


(いっそ、全て灰色だったら良かった……)


元に戻せないスカートを見つめて、私はそれをごみ袋に押し込んだ。

クリーニングに出せば、救えたのかもしれない。
けれど、もう、どうでもよくなってしまった。


恋というものは、温かいうちは幸せでも、いつか冷めてしまう。

鮮やかだった思い出は色を失い、綺麗な白色は簡単に汚れてしまう。
あの日から、色のある服は選ばなくなった。

白でも黒でもない、曖昧な色を選んでいれば、期待も絶望もしない。


もし、誰かに心を動かされそうになったら――
灰色のカーディガン姿の私を思い出そう。


夢を見てはいけない。


いつしか、私の世界まで色のない景色になってしまった。
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