灰色の日々に、君が灯した甘い色
第6話 甘い色
道を尋ねてきた男性は、何度も頭を下げてから足早に去っていった。
ほんの数分のことだったはずなのに、ずいぶん長い時間が経ったような気がする。
ほっと息をついた、その時。
「ああ……もう。ナンパかと思いましたよ……」
低く抑えた声が耳元でする。
ゆっくり振り向くと、視界に飛び込んできたのは白いシャツ。
そして、すぐ目の前に彼の首元があった。
「……っ!」
思っていた以上に近くて、私は慌てて一歩下がる。
ふわりとコーヒーの香りが遠ざかった。
「驚かせてすみません」
「――また、道を聞かれたんですね」
彼も慌てて頭を下げてから、いつもの柔らかい笑顔を向ける。
「……ま、また?」
私を見つめながら、彼はやさしく目を細めた。
「よく見かけます」
「あなたが、迷子の人を助けてるところ」
(よく……見かける……)
「えっ、えええっ!?」
思わず大きな声が出て、飛び跳ねてしまった。
(わあああ…、ぴょんってなっちゃった)
(今のは絶対に恥ずかしい……っ!)
そんな私を見ても、彼は柔らかい笑顔のまま両手を広げる。
「こう、大きな手振りになって」
「一生懸命に説明してて」
「なんていうか……小鳥、みたいです!」
そう言うと、くしゃっとした笑顔になった。
「こ、小鳥……っ!?」
予想外の例えに言葉が詰まる。
頬に熱が集中していくのが自分でも分かった。
そんな私を見つめていた彼も、頬がほんのり染まっていく。
「はい。……可愛いですよ」
彼は小さく頷いて、やさしく微笑む。
ほんの数分のことだったはずなのに、ずいぶん長い時間が経ったような気がする。
ほっと息をついた、その時。
「ああ……もう。ナンパかと思いましたよ……」
低く抑えた声が耳元でする。
ゆっくり振り向くと、視界に飛び込んできたのは白いシャツ。
そして、すぐ目の前に彼の首元があった。
「……っ!」
思っていた以上に近くて、私は慌てて一歩下がる。
ふわりとコーヒーの香りが遠ざかった。
「驚かせてすみません」
「――また、道を聞かれたんですね」
彼も慌てて頭を下げてから、いつもの柔らかい笑顔を向ける。
「……ま、また?」
私を見つめながら、彼はやさしく目を細めた。
「よく見かけます」
「あなたが、迷子の人を助けてるところ」
(よく……見かける……)
「えっ、えええっ!?」
思わず大きな声が出て、飛び跳ねてしまった。
(わあああ…、ぴょんってなっちゃった)
(今のは絶対に恥ずかしい……っ!)
そんな私を見ても、彼は柔らかい笑顔のまま両手を広げる。
「こう、大きな手振りになって」
「一生懸命に説明してて」
「なんていうか……小鳥、みたいです!」
そう言うと、くしゃっとした笑顔になった。
「こ、小鳥……っ!?」
予想外の例えに言葉が詰まる。
頬に熱が集中していくのが自分でも分かった。
そんな私を見つめていた彼も、頬がほんのり染まっていく。
「はい。……可愛いですよ」
彼は小さく頷いて、やさしく微笑む。