灰色の日々に、君が灯した甘い色
一昨日から、この店で働き始めた。
大学四年生になった僕は、父の会社が経営する店舗で修行することになった。
前期が終わって、今週から始まった夏休みから秋までは、ピエトラ・ビアンカに。
そのあとも学業と両立しながら、都内の店舗をいくつか回って働く予定になっている。
大学卒業後は、計画中の新店舗を任されることも決まっている。
いずれ、父の跡を継ぐ。
子どもの頃から、そう聞かされて育った。
用意された道を、嫌だと思ったことは一度もない。
ただ、これから先のことを考えると、漠然とした不安が湧いてくる。
与えられたものを、当たり前のように受け取って生きてきた。
そんな僕には、ゼロから何かを築き上げた父と同じようになれる自信なんて、どこにも無かった。
ピークが落ち着いてきたのを見計らって備品の補充をしていると、自動ドアが開く気配がした。
顔を上げて、ドアに向かって笑顔を作る。
「いらっしゃいま――」
息が止まった。
(……えっ)
(あ、ああ……!?)
(*☆彡&#$%★♨――!?!!?)
言葉にならない叫びが頭の中で響く。
肩にかかる黒髪。灰色のカーディガン。
見間違えるはずがない。
白い羽根の向こうで、鮮やかに笑っていた――あの人だ。
大学四年生になった僕は、父の会社が経営する店舗で修行することになった。
前期が終わって、今週から始まった夏休みから秋までは、ピエトラ・ビアンカに。
そのあとも学業と両立しながら、都内の店舗をいくつか回って働く予定になっている。
大学卒業後は、計画中の新店舗を任されることも決まっている。
いずれ、父の跡を継ぐ。
子どもの頃から、そう聞かされて育った。
用意された道を、嫌だと思ったことは一度もない。
ただ、これから先のことを考えると、漠然とした不安が湧いてくる。
与えられたものを、当たり前のように受け取って生きてきた。
そんな僕には、ゼロから何かを築き上げた父と同じようになれる自信なんて、どこにも無かった。
ピークが落ち着いてきたのを見計らって備品の補充をしていると、自動ドアが開く気配がした。
顔を上げて、ドアに向かって笑顔を作る。
「いらっしゃいま――」
息が止まった。
(……えっ)
(あ、ああ……!?)
(*☆彡&#$%★♨――!?!!?)
言葉にならない叫びが頭の中で響く。
肩にかかる黒髪。灰色のカーディガン。
見間違えるはずがない。
白い羽根の向こうで、鮮やかに笑っていた――あの人だ。