灰色の日々に、君が灯した甘い色
自分でも情けない。
あんなに動揺して、一体どうしてしまったのだろう。

恥ずかしさで頭がパンクしそうになりながら、二階の休憩室へ向かう。


その途中、食器を返却口へ運ぶお客さんを見かけて、僕はすかさず駆け寄った。

「ありがとうございました!」

食器を受け取って、自然な笑顔を向ける。

(あ……!)

今、すんなりと笑顔を出せた自分に軽く驚く。


スタッフさんに挨拶するために、初めて店を訪れたのは、七夕の日。
あの時はどこを見ても白くて、それでいて忙しなくて、少しだけ居心地が悪いと思ってしまった。

――でも。
働き始めて三日目で、この雰囲気に慣れてきたような気がする。
この店を、好きになってきたのかもしれない。

(また、店に来てくれるかな……)

無意識に、レジ前の彼女の姿が浮かんできた。
胸の奥で、まだ消えない熱がわくわくと跳ねていた。
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