Fahrenheit Ⅳ


「Let me think about it for a moment.(ちょっと考えさせて)」額に手を当てあてもなくうろうろしていると


「I'm leaving the day after tomorrow. I'd like to hear back from you by then.
(明後日、出立だ。それまでに返事を欲しい)」


「Ttomorrow!? Why didn't you tell me about something this important sooner? You're always like this.
(明後日!?何でそんな大事なこともっと早く相談してくれないのよ。あんたって人はいつもそう)」額に手を当てていた手を離すと


「July, I want to be with Mom. Does you hate me?
(ユーリ、ママと居たい。ママは?ユーリが嫌いなの?)」とぎゅっと首に抱き着いてくる。その力は痛い程だったが、これほどまでにユーリは成長したのだ、と思うとまた涙が出そうになった。


「Mom loves July so much.(ママはユーリのこと大好きよ)」ユーリのバラ色の頬をそっと撫でるとユーリはほっとしたように無垢な笑顔を浮かべた。


「Anyway, it’s not something we can decide today or tomorrow. I have to work out my schedule, too. But I’ll make a decision by tomorrow.
(とにかく今日、明日で決められることじゃないわ。仕事の調整だってあるし。でも明日までには決める)」とマックスを見ると


「Please look after July for me.(ユーリのこと頼むよ)」と殆ど決まったような口調で言われて、勝手な人。と心の中で毒づいた。


そう長居をするつもりもなかった。ユーリを抱き締められただけで十分。ユーリをそっと床に下ろし


「 I'm going .(帰るわ)」


と切り出すと


「 leaving already?(もう?)」とマックスの声が追いかけてきた。


「I have to work tomorrow, too. I want to get home early and get myself ready.
(明日も仕事なの。早く帰ってコンディションを整えたいのよ)」


本当の話だ。

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