Fahrenheit Ⅳ

ケーキの詰まった箱の中のあたし。



♥Ruka♥


翌朝、休みにしては少し早め目覚ましをセットして、6:00には起きた。


昨夜葵さんがラウンジで朝食を食べようと、言っていたから。普段朝食は摂らない方だけどたまには違うシチュエーションで違うことをするのもいいかもしれない。


シャワーを浴びて歯を磨き、化粧を施して昨日の服に着替え約束の7:30にラウンジ前のソファに向かうと葵さんはまだ現れてなかった。


支度中かしら。


そこから15分待っても葵さんは現れなかった。


寝坊でもしたのか。


一応彼の携帯に電話をしてみると『お客様のお掛けになった電話は現在電波の届かない所か、電源が切られている…』と言うアナウンスが聞こえてきて、


電源を切ったまま寝た??


いつでも連絡が繋がる葵さんが、珍しい。


一応心配だったからフロントに行って、彼の部屋番号に内線電話を入れてもらおうとしたら


「お連れ様でしたら、先ほどチェックアウトされましたよ」と。


は―――?


昨日朝食の約束したのにすっぽかした上、勝手にチェックアウト?


「あの、お支払いは」と戸惑いながらバッグから財布を取り出すと


「お連れ様にいただきました。お二人のお部屋分」


葵さんが、支払った?そんなお金彼にあるのかしら。まぁ幾らか前金で払ってるからそれを使ってなければ何とかなるだろうけど。


あのお金大好きな葵さんが?


「その……連れはどこへ?」


「お一人で帰ると仰っていて、それでこれをお客様へと」


と一つのメモをフロントマンがあたしに手渡してきた。




“人生なんて計算外なことだらけだよ”




呆れる―――と言うより何故だかちょっと笑い出したくなった。


色んなことを海が流していってくれたように心がすっきりしていたのは気のせい?


あたしは部屋に戻りコートを着るとその場でマックスに電話を掛けた。


「Hey,It's me.I'm going to pick up July now. It'll probably take about two hours.
(今からユーリを迎えに行くわ。二時間ぐらいかしら)」


そう伝えると


『OK』と短く返事がかえってきた。


カードキーを返してあたしもチェックアウトを済ませると車に乗り込み、来た道を逆戻り。


今度はPAにも寄らず、時間より15分程早くマックスの宿泊しているホテルに着くことができた。


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