Fahrenheit Ⅳ

ユーリはすでにピンクのふわふわコートを着ていて小さなリュックを背負い、手にはあたしがあげたくまちゃんのぬいぐるみを持っていた。


「I need help. As soon as he wakes up, all he does is ask, “When is Mom coming?”
(困ったよ。起きてからすぐに『ママはいつ来るの?』って、そればかり)」とマックスは苦笑い。


ユーリ、それ程あたしが来ることを楽しみにしてくれてたのね。それだけで泣きそうになる。


マックスはユーリの視線に合わせるようにしゃがみ込むと


「OK July? Daddy’s going back to work, but while he’s gone, be nice to Mommy and don’t give her any trouble, okay?
(いいかい、ユーリ。パパは仕事の為におうちに戻るけどその間ママと仲良くして、ママを困らせちゃダメだよ)」と言い頭を撫でる。


「Yeah, I'm being a good girl.(うん、ユーリいい子にしてるよ)」とユーリが天使のように笑う。


ああ、可愛い。あたしの愛しい子。


これから一か月程一緒に居られるのね。


それを想うだけで胸がいっぱいになる。


まるでケーキがいっぱい詰まった箱に入り込み、毎日甘い生活を送る。そんなことを想像した。


「Come on, July, shall we go with Mom?
(さ、ユーリ、ママと一緒に行きましょうか)」ユーリの小さな手を握り歩き出すと「OK,bye daddy(うん、パパまたね)」と小さな手をマックスに振っている。


マックスも笑顔で振り返していた。

< 121 / 130 >

この作品をシェア

pagetop