Fahrenheit Ⅳ
俺と瑠華は両手を合わせると、二人して足を出した。走るようなステップ。跳んだり跳ねたりのステップ。フォワードロック
ナチュラルターン、ナチュラルリバースターン、プログレッシブシャッセ。
横一線を走り抜け、しかし練習のような失敗は侵さなかった。俺たちは自然顔を合わせていつの間にか笑い合っていた。
(落ち着いて、あたしが手を握っているので大丈夫です)と瑠華が目で合図。
それに落ち着いた俺たちはステップを踏む。
瑠華の手を握ったまま、瑠華の腰を回しターンやステップ。
中頃から手拍子が起こり、場は盛り上がる。手拍子の音がまるで爆発音のように聞こえる。
初めて―――ダンスを楽しめた気がする。
最後はまたもスローダンスに戻り中央で二人してお辞儀。俺は立ったまま、始まりと同じ体制で同じく瑠華もドレスの両裾を軽く握って深く腰を落とす。
室内は適度に暖房が聞いていたが、緊張の上に動いていたからか或いはライトの熱か体が熱を持ったように熱い。額から汗が流れてきたのはみんなの反応を気にしているからか。
しばらく会場からの反応はなかった。
失敗―――だったかな。と一瞬不安に思ったものの、数秒でまるで会場が揺れるような程の拍手の音が響いた。
「凄い!」
「きれい!」
とあちこちから歓声が上がる。
俺と瑠華は顔を合わせて、瑠華が立ち上がると両手をちょっと高く持ち上げ手を繋ぎあいだまま、そのまま正面まで歩いていき、再びその態勢で頭を下げた。