Fahrenheit Ⅳ

シンデレラの壊れたガラスの靴。


♥Ruka♥


ダンスはうまく行った。途中水の中で足を滑らせそうになったが、転ぶことなく何とか持ち直したのは啓のお陰。


啓に腕を上げることを言ったこと覚えててくれたみたいで、ついで腰も支えてもらったから転倒は防げた。


運動神経が良いのは前から知っていたことだけど、即興でターンまでしてくれた。頑張って練習してきた甲斐があった。啓に感謝だ。


最後の音楽が途切れフィニッシュ。


あたしたちは舞台の中央でお辞儀をして中央から会場へと少し高い位置で手を取りながら歩いて行った。壇上から降りるとき、一足早く啓が降り、そしてあたしを抱き上げて、その場から下ろしてくれた。


佐々木さんが一番最初に啓に飛びついてきて、


「部長!ヤッタ!やりましたね!」と、半泣き状態で抱き着いている。


啓は若干鬱陶しそうに見えたが、それでもダンスの成功が嬉しかったのか受け入れている。


「柏木補佐、すっごくステキでした!ドレスもすごく似合ってるし」と、マスタードイエローの明るいワンピースが良く似合っているマナミさんが声をかけてきて、軽くハグ。


「マナミさん、ありがとうございます」マナミさんは例の失恋からすっかり立ち直ったようで、明るい笑顔を浮かべている。それにほっとした。まだ余韻が残っているのか「凄かった~!」とは言い手を叩いている。


綾子さんも来て「ステキだったわよ~!もう感動しちゃった!」と軽く抱き着かれ、軽く……と思っていたけれど結構な勢いがあって後ろによろけそうになったが何とか踏ん張った。何せ今は裸足の状態。床は厚みのあるカーペットが敷き詰められているから寒さは感じないが、ヒールじゃなくて良かった。

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