Fahrenheit Ⅳ
計算外のこと、してみない?
♥Ruka♥
時は戻り、一日前マルーナホテルから出たあたしはタクシーを拾うとマックスの泊っているホテルへと向かった。
20XX年 1月 5日 木曜日
帰るときは連絡が来る筈だからまだ帰ってないよね。もしNYに帰っていたらその時はその時だ。
ユーリに無性に会いたくなった。
あの何も知らない純粋で無垢で甘い香りがするふわふわのユーリを抱き締めたかった。そうしたら自分の中にある醜い感情も洗い流せる気がしたから。
啓と瑞野さん。何も弊害もなくお似合いの二人。それを思いだけで心が締め付けられる。
ひとまずの落ち着きの為経口薬を飲んだけれど、アルコールも相まって気持ちはサイアクに悪かった。
吐く程ではないけれど、喉元まで胃液がせりあがっている気持ちの悪さはいつまでも消えない。
ドレスにマントコート姿だったけれど、フロントマンは特に怪しむことなくマックスの泊っている部屋へと案内してくれた。
良かった、まだ帰ってなかったみたい。
部屋のインターホンを押すと、のそっとまるで岩を思わせるティムが顔を覗かせ
「Luie,Happynewyear, what's wrong?(ルーイ、Happynewyear、どうしたんだい?)」と聞いてきた。
「Happynewyear,Tim.Are July and that person there?(Happynewyear、ティム。ユーリとあの人はいる?)」と聞くと
「Yeah,Those two are playing in the room.(ああ、部屋で遊んでる)」とティムは部屋の中を顎でしゃくる。