Fahrenheit Ⅳ
「Yuri looks more and more like you every year. I wonder what a beauty she’ll grow up to be.
(ユーリは年々君に似てくるな。将来どんな美人に育つやら)」とマックスが笑ってあたしの額に軽くキス。
「I’ve got to be careful not to let any weird bugs get on her from now on.
(今から変な虫がつかないよう気を付けなきゃな)」変な虫はお前だっつーのと言う意味で鬱陶しそうにそれを払いながら
「You're jumping the gun. Let July date whoever she wants.(気が早いわ。ユーリには自由に恋愛させてあげて)」あたしがそっけなく言うとマックスは軽く肩を竦めて見せた。
「You’re okay with getting involved with a guy like me?(俺みたいなオトコに引っかかってもいいと?)」
「It seems you aware of it. That’s the one thing I want to avoid.(自覚はあるみたいね。それだけは避けたいわ)」
精一杯の嫌味を言ったが、かといってカネの亡者でファザコン野郎のジェイクみたなのも嫌だけど。
恋人ならば―――ちょっと抜けてるけれど一生懸命あたしのこと愛してくれて、情に熱くて辛いときいつもそばにいてくれる
啓
のような人と付き合って欲しい。
その恋にも破れたあたしが今更何を言っても心に響かないだろうけど。
どうしたのだろう。無性に泣きたい。薬のせいなのか。それともちょっと酔ったのか。
それを誤魔化す為部屋をぐるりと見渡すとクローゼットに掛けられた服の半分程が無くなっていた。
「What's wrong? Are you heading home soon?(どうしたの?もうすぐ帰る?)」
ユーリに会えないのは寂しいが、これ以上一緒にいたら手放したくなる。
これ以上は一緒に居られない。