財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
 言い終えた瞬間、肩の力がふっと抜けた。ずっと胸の奥に沈めていたものが、ようやく解放できた。
 じっと見つめられて、視線をどこに置いていいのか困る。
 告白した後って、どうすればいいんだ……?

「……もう、肌の手入れは終わったのか?」
「え? あ、……うん」
「じゃあ、そろそろ休むか」

 これ以上、李茉を直視していると、理性を失って押し倒しそうで怖い。
 
 ホテルで一夜を過ごして以来、俺らは両想いだと思っていたのに……。今日の出来事で、改めてわかった。
 李茉にとって、俺は契約結婚した相手にすぎないということ。
 戸籍上、一応〝夫婦〟だから、……俺に求められて断れなかっただけ。
 妻としての自覚すら、俺が口にするまでピンとこないくらいだからな。そこに、俺への愛情はないのだと、わかってしまった。
 
 俺は何事もなかったように、ベッドへ潜り込んだ。
 
 好かれていなくても、好きになってもらう余地はあるはず。
 今はこれ以上嫌われないように……、どうやったら好きになってもらえるかを考えなければ……。
 リモコンで照明を常夜灯へと落とし、静かに目を閉じた。
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