財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
「社長、連れてきました」

 新藤は極秘プロジェクトの実務担当の二人を連れてきた。二人は緊張した面持ちで一礼する。

「……俺の端末に保存していたデータが抜き取られた。お前たちの仕業か?」

 威圧感のある声音と視線で部下二人を問いただす。

「ありえません……! 社長の端末にアクセスできる権限は我々にはありませんし、やり方もわかりません!」
「自分らは、資産運用の実務担当であって、システムに関する技術は一般人と同等です! どうやって他人のパソコンにアクセスするのかも知りません……‼」

 新藤が深く息を吐く。

「だよな。社長がお前たち二人を疑っているわけじゃない。一応、確認のために聞いただけだ」

 新藤の言葉に、実務担当の二人は安堵の表情を浮かべた。

「……やはり内部犯の線が濃厚だな」

 取引相手の資産情報を管理することはあっても、技術そのものを運用する企業ではない。
 あくまでも片桐キャピタルは総合投資会社だ。

「この件は他言無用だ」
「承知しました」

 新藤たちが退室し、入れ替わるように及川が入ってきた。
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