財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
「社長、大変です」

 城ケ崎が険しい顔つきで、俺の元へとやってくる。

「株価が、急落し始めています」
「何っ!?」

 目の前にタブレットが差し出され、リアルタイムで株価のチャートが表示されていた。
 一時間ほど前から下がり始め、つい五分ほど前から急落し始めた。

 恐らく、俺のパソコンから情報を抜き取ったやつの仕業に違いない。
 このままでは、片桐キャピタルだけでなく、片桐グループ全体の株価に影響を及ぼしてしまうだろう。

 片桐のグループ全体の株価を確認すると、やはりどの会社の株価も徐々に下がり始めていた。

「……っ!」

 やはり、避けられないか……。

「城ケ崎」
「はい、社長」
「ブラインドの故障を報告した者を突き止め、その黒幕を暴き出せ」
「承知しました」

 城ケ崎は小さく頷いた。

「及川」
「はい」
「株価に関する問い合わせが殺到するだろうから、広報には【今回の漏洩に関することは、片桐キャピタルとは無関係】【個人投資における情報の漏洩】だという通達と証明を関係各所へ出すように。IR部は取引先への説明を早急に対応、法務部はハッキング行為に関する被害届と、損害の対応、社内の動揺を抑えるために各部署に状況の共有を徹底させろ」
「承知しました」

 秘書二人は、慌ただしく社長室を後にした。
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