財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
 その日の夜。シャワーを浴び終え、寝る前に水分を取ろうと冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出した。
 次の瞬間、下腹部にズキンと鋭い痛みが走った。

「うっ……」

 冷蔵庫から取り出したペットボトルが手から滑り落ち、床に当たって鈍い音を立てる。
 その音に気づいた母が、慌てて駆け寄ってきた。

「李茉!? どうしたの、お腹が痛いの?」
「……おかっ……さ……」

 あまりの痛さで意識が朦朧としていく。
 昼間の痛みとは比べ物にならないくらい、ズキズキと痛む。

 その後、私は母に支えられながら、救急外来がある病院へと向かった。
 
 病院に着いた私は、問診や血液検査、尿検査を済ませ、診察室の前で名前を呼ばれるのを待っている。
 夜間の救急外来は静かで、看護師の足音が響くたびに胸がざわついた。
 健康だけが取り柄だった私は、病院とは無縁で育った。だから余計に心細い。

「片桐さん、片桐李茉さん、診察室へどうぞ」

 ようやく名前が呼ばれた。
 診察室には、ネイビーのスクラブに白衣を纏った女医さんがいた。
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