財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
「最近、体調の変化はありましたか? 食欲が落ちているとか、眠れないとか」
「……はい。少し貧血みたいな感じでくらくらしたり、あまり食欲もないですし、睡眠も……」
「うーん、それは困りましたね」

 先生は電子カルテを入力しながら、私を一瞥した。

「最終月経はいつでした?」
「……はい?」
「生理です。最後に来たのはいつですか?」
「あ、……えっと……」

 質問されて、いつだったか思い出す。そう言えば……そろそろ来ててもおかしくないはず……あれ?
 最後に来たのっていつだっけ……? このところバタバタしてて、生理のことなんてすっかり忘れていた。

「……七月の下旬です」
「そうすると……予定日は、来年の四月下旬頃かしら」
「……へ?」

 女医さんは穏やかに微笑んだ。

「あら、言う順番が逆だったわね。おめでとうございます――妊娠してますよ」

 医師の言葉に、心臓が止まった気がした。
< 161 / 200 >

この作品をシェア

pagetop