財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
「先生っ、 私、妊娠してるんですか!?」
「ええ。だけど、私は専門医じゃないから、詳しい診断までは下せないの。日中に、婦人科で診てもらうといいわ」
「……あ、はい」

 喜びと戸惑いが、一気に押し寄せる。
 惺也くんと私の……赤ちゃん。胸が熱くなるのに、同時に、足元が崩れ落ちるような感覚がした。
 だって、彼には伝えられない。ううん、伝える資格もない。その事実が、胸を締めつけた。

 帰宅すると、母は何も聞かずに「ゆっくり休みなさい」とだけ言ってくれた。
 自室のベッドに横になり、そっとお腹に手を当てる。
 ここに……私と惺也くんの赤ちゃんがいるんだと思うと、自然と涙が滲む。

 でも──スマホには未だにメール一つない。
 きっともう……私のことなんてどうでもいいのかもしれない。
 この子のために強く生きなきゃ……!
 私はお腹の子を、一人で育てることを決意した。
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