財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
 横の壁がスクリーンに変わり、タブレットから映像が送られた、次の瞬間──モザイク画像と音声処理が施された女性の姿が映し出された。
【役員フロア清掃担当・Mさん】と表示され、会場が静まり返る。

『夫が片桐ファイナンスから借り入れをして、返済が滞ってしまったんです。すると、片桐ファイナンスの社員だと名乗る男性から〝片桐CEOの部屋のブラインドが故障していると報告しろ〟と指示を受けました。その見返りとして、夫が借り入れたローンを全額返済してくれると言われ、噓の報告をしてしまいました』

 さらに、Mさんの通帳の画像が表示され、片桐ファイナンスからMさんに三百万円が支払われた証拠が映し出された。

「片桐キャピタルが機密情報の漏洩をしたと報じられましたが、その件の真相がこちらになります」

 及川は画像を映し出しながら、随所に説明を入れる。
 各局のテレビカメラはライブ映像になっているため、恐らくそのままテレビ中継がされていることだろう。
 俺は横にいる愛華に視線を向けると、マイクを持つ手が震えていた。

「次の画像は、不正アクセスに関する証拠映像です」
< 183 / 200 >

この作品をシェア

pagetop