財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
 淡々とした口調で、及川は続けた。
 俺の部屋のブラインドに取り付けられていた最新型の超小型カメラの写真と、秘書室で管理しているCEO室に出入りした業者の名簿。
 ブラインドの故障を装ったわけだから、当然、壊れてもいないブラインドを交換する取り付け工事が行われたという記録だ。
 設置された超小型カメラが捉えた画像として、デスクに置かれたパソコンが映し出され、角度的にパスワードが読み取れるという意図を表示させたもの。
 さらには、不正アクセスした張本人であるハッカーO氏の証言。
 清掃員のMさん同様、音声加工が施され、男性の足元だけが映し出された映像が流れた。

『とある人物から、個人データを抜き取って欲しいとメールで依頼があり、何度か実行したが、解読できず。すると、数日後にパスワードがメールで送られてきて、それを使って不正アクセスしました』

 証拠の品として、O氏に送られてきたメールのスクリーンショットだ。
【housyo.aika@housyo/industry-pub.jp】と書かれたメールの送信元がわかる画面が表示され、トドメとばかりに、宝生愛華個人から振り込まれた五百万円の入金明細が表示された。

 会場が一気にどよめき、一斉にカメラが愛華に向けられる。

 愛華は両手で顔を隠し、すぐさま会場から立ち去ろうとするが、会場内にいる俺の配下に難なく取り押さえられた。
< 184 / 200 >

この作品をシェア

pagetop