財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~
「続きがあります」と及川がマイクでアナウンスすると、再びスクリーンへと視線が移動する。

「こちらの映像は、アミル財団が主催した慈善パーティー当日の映像です。財団が支援するホテルで行われました」

 防犯カメラによるホテルの通路を映し出した映像が流れ、俺が李茉をエスコートしながら会場へと向かう姿が映っている。
 少し時間が先送りされ、そこに──愛華が片桐洋一に耳打ちする姿が映し出され、密談現場ともとれる映像だ。

「宝生愛華氏と会話しているのは、片桐ファイナンスの副社長、片桐洋一氏。先ほどの清掃員に偽の故障報告を指示した人物です」

 及川の説明が終わるや否や、記者たちはすぐさまスマホやタブレットで検索し始めた。
 おそらく、〝片桐ファイナンス 片桐洋一〟を検索しているのだろう。
 ──李茉を泣かせた報いは、百倍、いや、千倍にして返してやる。

 愛華は取り押さえられたまま、震える肩を上下させていた。
 会場内は依然騒然としている。
 俺はマイクを握り直し、静かに口を開いた。

「以上が、宝生インダストリーにより行われていた不正の一部です」

 どよめきが収まらないまま、俺はスクリーンへ手の先を向けた。
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